吸入ステロイド(ICS)はいつ吸入するのがベストなのか?
[2025.09.05]
吸入ステロイド(ICS)はいつ吸入するのがベストなのか?
喘息の症状をコントロールするために使う吸入ステロイド(ICS)は、①朝・晩の1日二回吸入するタイプ②1日一回の吸入するタイプ③1日二回吸入+症状が出たときに追加吸入するタイプ(気管支拡張薬との合剤で成人のみ適応あり)に分かれています。
実際に外来で患者さんが希望されるタイプとしては、②の1日一回の吸入で済むICSの人気がある印象です。
では、1日一回吸入タイプのICSは、どの時間帯で吸入するのがベストなのでしょうか?
結論から言ってしまうと、
吸入する時間帯は、患者さんのライフスタイルや、症状が起きやすい時間帯を選んで大丈夫です。吸入する時間帯よりも、毎日定期的に吸入することが大切です。
- 朝でも夜でも基本的には効果はほぼ同じ
- 肺の働き(呼吸の量やピークフロー)や全体的な症状コントロールには、朝吸入でも夜吸入でも大きな差はありません。
- 重要なのは「毎日忘れずに吸入すること」です。
- 夜間症状がある人は夕方~夜吸入がおすすめ
- 「夜中に咳が出る」「夜眠れないほど息苦しい」といった症状がある場合は、夕方~夜の吸入または朝と夜の分割吸入タイプで少し改善が期待できます。ですが、はっきりとした結論はでていません。
- 続けやすさを優先
- 忙しい朝に吸入を忘れやすい人 → 夜寝る前に吸入
- 夜寝る前に吸入を忘れやすい人 → 朝に吸入
- 自分が続けやすい時間を選ぶことが最も大事です。
まとめ
- ICSは吸入の時間帯より、毎日吸入を続けることが最優先。
- 夜間症状がある場合は夜の吸入を検討してもよい。
- 自分のライフスタイルに合わせて吸入時間を決めましょう。いつ吸うのがいいのか判断に迷う場合には一緒に考えていきましょう。
参考文献
- Bjermer L, et al. The impact of dosage timing for inhaled corticosteroids in asthma: a randomised three-way crossover trial. Eur Respir J. 2006;27(2):245–252.
