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ペットアレルギー

ペット(動物)アレルギーとは?

ペット(動物)アレルギーとは、ネコやイヌなどの動物にふれたとき、体が必要以上に反応してしまい、喘息や咳嗽、目のかゆみといった症状がでてしまうことを言います。この反応は、私たちの体の中にある「免疫(めんえき)」という仕組みが、ペットの体から出るたんぱく質を「敵」とまちがえて攻撃してしまうことで起こります。

特にアレルギーの原因(アレルゲン)になりやすいのは、以下のようなものです:

  • ペットの毛やフケ(皮ふのかけら)
  • だえき

動物アレルギーの人がこれらにふれると、次のような症状が出ることがあります。

  • 鼻水、鼻づまり、くしゃみ(アレルギー性鼻炎)
  • 目のかゆみや赤み(アレルギー性結膜炎)
  • せき、息苦しさ、ゼーゼー音(気管支ぜんそく)
  • 肌のかゆみ、湿しん(アトピー性皮膚炎)

ペットが大好きでも、アレルギーがあると体に負担がかかってしまいます。でも正しく知って、正しく対処すれば、安心して生活できます。 動物ではとくにネコに対するアレルギーが多いことがわかっています。

ペットアレルギーの診断

「もしかして動物のアレルギーかも?」と思ったら、まずは専門の医療機関を受診し、問診(もんしん)と検査を行います。検査には血液検査や皮膚プリックテストを行います。

検査

アレルギーの検査にはいくつかの方法があります:

血液検査(主にこちらの検査を行います)

動物のふけに対するIgE抗体という物質を調べます。動物ごとに調べることができます。結果が出るまでに数日間かかります。
ネコ、イヌ、ハムスター、うさぎ、モルモット、ラット、セキセイインコ、ウシ、ウマ、羊、ガチョウを調べることができます。

皮膚プリックテスト(必要に応じて行います)

皮ふに動物の毛のアレルゲンを少しだけつけて、痛みを感じづらい針で軽く傷をつけ、反応を見ます。その場で15-20分で結果がでます。
ネコ毛、イヌ毛、ウサギ毛を調べることができます。
デメリットとしては、まれにアナフィラキシーを起こすことがあります。


これらの検査により、どの動物にどのくらい強い反応を示しているのかが分かります。 ただし血液検査は動物のふけに対するIgE検査であり、動物IgEが陰性でも、ペットのだえきに反応して症状が出ている場合もあります。 また主にウサギのエサであるチモシーはオオアワガエリというイネ科の多年草です。ウサギを飼っていて症状がでるけれど、ウサギの検査が陰性の方は、このオオアワガエリに対して症状がでている可能性もあります。採血で調べることができます。

ペットアレルギーの治療

ペットアレルギーの治療は、次の2つを組み合わせて行うのが基本です。

①アレルゲンとの接触を減らす(環境の工夫)

  • ペットを寝室に入れない
  • 空気清浄機を使う
  • こまめに掃除する(とくにカーペットやソファ)
  • ペットのシャンプーやブラッシングをこまめにする
  • メスの方がアレルゲンが少ないため、リスクを避けるならメスを飼う

②薬による治療

  • 抗ヒスタミン薬(くしゃみ・鼻水・目のかゆみをおさえる)
  • 吸入ステロイド薬(ぜんそくの症状をやわらげる)
  • 抗アレルギー点鼻薬や点眼薬
    ※症状や年齢によって薬を選びます。医師の指示に従って使いましょう。

よくある質問(Q&A)

Q1. ペットを手放さないといけませんか?

まずは掃除や空気清浄、ペットのケアなどできる工夫をしてみましょう。ただし、重いぜんそくがある場合などは安全のために生活環境を見直すこともあります。

Q2. ペットの毛を短く切ればアレルギーは出ませんか?

毛を短くしてもアレルゲン(フケやだえき)は減らないため、症状の改善には限界があります。こまめな掃除やケア、適切な距離感が大切です。

Q3. 子どもがペットアレルギーでも犬を飼えますか?

医師とよく相談して、症状の重さや環境によって判断しましょう。アレルギーが強く出る場合は、子どもの健康を優先して慎重な判断が必要です。

Q4. ペットを飼っていないのに、なぜアレルギー症状が出るの?

学校や職場で、他の人の服やバッグにペットの毛やフケがついて運ばれてくることがあります。家の中にペットがいなくてもアレルゲンが入りこむことがあるのです。またペットを飼育し続けていると、部分的に免疫寛容(ペットのアレルゲンに対して反応しなくなる)が起こりえます。そのためペットが亡くなって(=アレルゲンへの暴露がなくなって、時間とともに免疫寛容が弱くなり)、しばらく経ってから再度ペットと触れ合ったときに症状が出現したり、ペットを飼っている自宅に久しぶりに帰った時に症状が出たりすることもあります。

院長より皆さまへ

ペットは私たちの心をなごませ、癒してくれる大切な存在です。しかし、一方でペットアレルギーという形で体に不調をもたらすこともあります。ペットと健康的に共存するためには、「知ること」「気づくこと」「工夫すること」がとても大切です。

当院では、アレルギーの診断・治療だけでなく、生活上のアドバイスも行っております。ペットを手放すことなく、なるべく快適に過ごせる方法を一緒に考えていきましょう。

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