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痰(たん)が出る方へ

〜その痰、体からのサインかもしれません〜

痰とは?

痰(たん)は、気道(気管や気管支)から分泌される粘液に、ほこりや細菌、炎症物質などが混じったものです。
かぜをひいたときや、気管支や肺に炎症があるときによく出ます。
色や性質によって、どんな病気がかくれているかの手がかりになることがあります。

  • 透明でさらさら → 軽い風邪やアレルギーのことが多い
  • 黄色や緑色 → 細菌感染の可能性がある
  • 血が混じる → 呼吸器の重大な病気が隠れていることも

「ただの痰」と思わずに、気になるときはご相談ください。

痰の原因と症状・鑑別疾患

痰の原因は様々です。原因不明なこともありますが、以下に呼吸器疾患における痰、血痰の原因を頻度順に一覧表にしました。

頻度 疾患名 症状の特徴・ポイント
1 上気道感染(風邪など) 鼻水・のどの痛み・微熱と一緒に透明や白っぽい痰。数日で治ることが多い。
2 下気道感染(気管支炎・肺炎など) 咳、黄色~緑色の痰、発熱、だるさ。肺炎の場合は膿性痰で息苦しさを伴うこともある。
3 気管支喘息 発作的な咳とともに粘り気のある透明な痰を伴うことがある。夜や明け方に出やすい。
4 COPD(慢性閉塞性肺疾患) 喫煙者に多く、慢性的な咳と痰。風邪をきっかけに悪化する。
5 肺がん 長く続く痰に血が混じることがある。体重減少やだるさを伴う場合も。
6 気管支拡張症 長年続く痰。大量に出ることもあり、色は黄色や緑。感染をくり返しやすく、慢性気管支炎を伴うことがある。
7 肺塞栓症 急に始まる息切れとともに、血の混じった痰。胸の痛みや動悸を伴うことがある。
8 結核・非結核性抗酸菌症 長期間続く咳と痰、微熱、だるさ。血痰が出ることもあり、体重が減ることも。

また心不全ではピンク色の泡沫痰(泡沫痰)が出ることがあります。他にも頻度は少ないのですが、ブロンコレア(気管支漏)といって、一日100ml以上の痰がでる病態もあります。

痰の検査について

検査名 内容・目的 特徴・ポイント
痰の細菌検査 痰を顕微鏡や培養で調べて、どんな菌がいるか確認する 細菌性肺炎、結核、非結核性抗酸菌症などの診断に使われる。
痰の細胞診 痰を顕微鏡で病理検査を行い、悪性細胞(がん)がいないか調べます。 悪性細胞(がん)の検索におこないます。
胸部レントゲン 肺に異常陰影があるか確認する 肺炎・肺がん・結核・心不全などのスクリーニング検査として使用します。
胸部CT検査 より詳しく肺を画像で調べる 小さな病変や腫瘍、気管支拡張症の確認に有用。当院では即日CT検査が可能です。
血液検査 炎症や感染の有無を調べる 白血球やCRPで炎症の程度がわかる。貧血や腫瘍マーカーもチェックできます。
呼吸機能検査 肺のはたらきを調べて、空気の出し入れがスムーズにできているか確認する COPDや喘息の診断に役立ちます。
喀痰細胞診(かくたんさいぼうしん) 痰の中の細胞を顕微鏡で調べて、がん細胞などがいないかチェックする 肺がんが疑われる場合に行う検査。早期発見につながることがある。また喀痰中の好酸球や好中球といった白血球の種類を調べることで疾患の鑑別に役立ちます。
胸部CT検査 より詳しく肺を画像で調べる 小さな病変や腫瘍、気管支拡張症の確認に有用。当院では即日CT検査が可能です。

よくあるご質問(Q&A)

Q. 血が混じった痰が出ました。様子を見ていて大丈夫でしょうか?

A. 長く続かないなら、のどの傷や鼻血、歯肉炎からの出血がのどに回って出た可能性もあります。ただ何度も続く場合は肺がん、結核などの重大な病気の可能性もあるため医療機関での診察をおすすめします。まずはご自身が一番気になる部位の科への受診をしていただくのがよいと考えます。

Q. 痰の色で病気がわかるんですか?

A. ある程度の参考になります。濃い黄色や緑は細菌感染、透明な痰はアレルギーやウイルスを想定します。血が混じるときは注意が必要です。

院長より皆様へ

「痰が出るのは風邪のせいだろう」と思って放っておく方もいらっしゃいます。
でも、痰には身体の中で起きている問題を知らせてくれる大切な役目があります。
特に、色や量がいつもと違ったり、血が混じったりするときは、肺や気管支、時には心臓や血管に病気が隠れていることもあります。

不安なことがあれば、どのタイミングでも結構ですので、様子を見続けずに、一度ご相談ください。

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